ミカンのモデルに「誕生日話書いて」と言われた時に話した内容が２種類あって、その片方を挙げたらもう片方も催促されたので書きました。
ちょっと長くなったから、後半畳んどきます


２番目のミカンお姉ちゃんの誕生日が近いある日。双児の弟達は、自分達でお金を出し合って、プレゼントを買ってくることを思いつき、他のお姉ちゃん達にも出資を募ってみました。

 

すると、長女で高校生でバイトもしているからと、モミジお姉ちゃんが1000円札を１枚くれ、３番目のキーちゃんはお財布を覗いてちょっと考えてから500円玉を、４番目のミドリちゃんはたまたまポケットに入っていた―どうもさっき買った本のオツリらしい―300円をくれました。そしてお小遣いを貰っていないユカリちゃんは除外して、当の双児達は、

「買いに行く役を引き受けるし」

と称して100円ずつ出し合ったので、合計金額は2000円になりました。

 

 

 

「さて。じゃあ、何買おうか」

「えーと、やっぱり、自分が欲しい物あげたら、喜んでもらえるよね」

「だね。で、アオくんは何が良いと思うの？」

出掛ける準備をしながらアイくんが訊くと、アオくんは少し考え

「うまい棒の30本入！　チーズと、めんたいとコンポタ味の３つセットとか良くない？？」

 

いかにも男子小学生らしい例を、目を輝かせながら挙げました。

それに対しアイくんは

(多分ミカンちゃんは、それじゃ喜ばないだろうなぁ)

と思いつつも

「まぁ、いいんじゃないの？」

と投げやりに返し、ひとまず駄菓子を売っているお店に行くことにしました。

業務用サイズを売っている安売りのお店で買ったので、10円×30本×３セット＝900円よりは安く買えましたが、残金は1000円ちょっとになりました。
2000円と1000円ちょっとでは、買える物に大分差がありますが、小2の感覚ではどっちも「結構大金」なので、
「あとは何が良いかなぁ」
などとのんきに検討し

「何か、服欲しがってたよね」

と、アイくんが言い出し、服を売っていそうなお店に移動することになったのは良いのですが、1000円前後で買えて中学生のお姉ちゃんが喜びそうな服を売っていそうなのは、精々「しまむら」か「ユニクロ」か「西友」位のものですが、２人が向かったのは何故かホームセンターでした。
そしてそこで、びみょ～なパチモノくさいＴシャツを買ってきて、うまい棒と一緒に贈ったところ

「お父さん並に趣味が悪い！」

と言われ双児は大いに凹み、ついでにお祝い電話をかけて来たお父さんにも、お母さんがゲラゲラ笑いながら話したので、男共は全滅でした。とはいえ、うまい棒はしばらくの間みんなで分けておやつとして食べましたし、Ｔシャツも人目に触れないパジャマの下には着ていたりもしたとか……